そうやって、恋が始まる A・・・・・大学でタイムマシーンの研究をしている。映画サークルに所属。 B・・・・・未来のAの彼女。 男1,2・・政府かどっかの殺し屋。 Aが家に帰ってくる。 Aがいろいろやっているとこたつが光る。 Aはこたつの上に見慣れないノートパソコンがあるのに気付く。 タイトルバック Aはコタツの中に足を入れ、パソコンをいじろうとする。 A「ん?」 コタツの中に何かいる。 中から拳銃を持った手が続いて女(B)が出てくる。 B「あっ、A」 Bは出てきて座る。 A「だっ、誰?」 B「……」 Bは辺りを見回す。 新聞を見つける。日付は2006年X月X日。 B「これって今日の!?」 A「は、はい」 B「2006年……しくじった。じゃあ私の事知らないよね?」 A「知らないですよ…」 B「平成18年が2006年か、あああ、やっちゃった…」 Aは銃をしげしげと見る。 B「あっ、これ?」 Bは銃口をAに向ける。 Aは両手を挙げる。 A「すいません。撃たないで下さい。」 B「あっ、ごめん」 Bは銃を下ろし、机の上に置く。 A「手、下ろしていいですか?」 Bうなずく。 Aは手を下ろし、拳銃をしげしげと見る。 A「本物…ですね…」 B「わかるんだ」 A「モデルガンやエアガンはここの△△△が×××だけど、   これはここが○○○でしょ。だから本物」 B「なるほどーさすがAだね。」 A「えっ?」 B「A、好きでしょ?銃とか」 A「なんで…知ってるんですか?」 B「そりゃあ、知ってるよ…あーやっちゃったなー。どーしよ」 Bは頭をかかえる。 B「とりあえず、なんかもらっていい?」 返事を待たずにBは立ち上がり、冷蔵庫を開ける。 Aは机の上の拳銃を取る。 B「Aも飲むー?マックスコーヒーでいいよ」 Aは拳銃をBに向けている。 A「動くな」 B「ちょっと、撃たないで、A」 A「なんなんだよ、お前、泥棒か?」 B「違うよ」 A「じゃあ、ストーカーか。俺のこと良く知ってるみたいだしな」 B「違うよ、彼女。」 A「彼女?」 B「Aの未来の彼女。私、未来から来たの」 A「へ?」 AとBはこたつに座っている。 机の上にはマックスコーヒー2本。 AはBに拳銃を向けたまま。 A「えっと、お前は」 B「B」 A「Bちゃんは未来の俺の彼女だと」 B「そう。タイムマシンで未来から来たの」 A「んな訳ないじゃん。タイムマシンて」 B「じゃあAは大学で何の研究してるの?」 A「タ、タイムマシン」 B「でしょ。そのAが作ったタイムマシーンで来たの」 A「何年から?」 B「2008年だから…2年後」 A「そんな早くできるわけないじゃん。まだ、理論もできてないのに」 B「理論が証明されてから、2ヶ月で作ったんだよ。Aは」 A「そんな簡単にできる訳ないじゃん。第一無理なんだよ、タイムスリップは。証明されてるの!」 B「じゃあなんでタイムスリップの研究とかやってる訳?」 A「それはそのー」 B「“タイムマシンは無理って言われてるけど、   素粒子を過去に送る研究をやってたりするから、   もしかしたらタイムマシンは可能なんじゃないか   そう思うんだ。”って聞いたけど。Aから」 A「そう思うんだけどさ…」 A「なんか証拠とかないの?」 B「証拠?んーと証拠か…   あっ、そのパソコン」 A「これ?」 Aはノートパソコンを開く。 パソコンにはプリクラが貼ってあり、 AとBが写っている。 A「俺たち…」 B「そう。私たち。初めてのデートの時に撮ったヤツ」 A「デート」 B「そう。映画観に行った帰り」 B「あっそうだ!これこれ」 Bはポケットから財布を出して中から映画の半券を取り出す。 B「じゃーん、ターミネーター4!」 A「えっ、4?作っちゃうの?4を?」 B「そう。面白かったよ。Aも良かったって。証拠になるでしょ?」 A「えーっ。だってそれもこれも、パソコンとかあったら作れるじゃん」 B「つくりものだって言うの?」 A「普通信じないよ。ターミネーター4は」 B「そこなんだ」 A「そうだ、実物見せてよ、実物。タイムマシンの。   どこにあんの?」 B「これ」コンコンとこたつをたたく。 A「?こたつ?」 B「そう。あと、このパソコン。制御用に」 A「そんな訳ないよ」 B「そうなんだって。のぞいてみれば?」 Aはこたつをめくる。 A「あっ…」 Aは中に夢中になっている間に拳銃を取り返す。 A「これが…ここに来る訳かー」 こたつからのコードが机の上のノートパソコンとUSBでつながっている。 A「これならいけるかも。できるかも」 B「やってみれば?」 A「え?」 B「だから、試してみればいいじゃん。過去なり、未来なりに行って」 A「でも危ないじゃん。ほら、見た感じ、出力高そうなルビーレーザとかあるしさ…」 Bの方をみると拳銃を持っている。 B「行きなさい」拳銃を突きつけて。 A「はい…」 Aはノートパソコンを操作している。 B「そこに日付と時間を入れてEnter。年は平成で入れてね」 A「なんで平成?」 B「私が聞きたいよ。なんで西暦にしないの。間違っちゃったじゃん」 A「今の俺に言われてもな」 A「じゃあ、とりあえず3分後に」 B「うん」 【平成18年3月20日15時45分でよろしいですか?(Y/N)】 Y 【本当によろしいですね?よければEnterを押して下さい。  押したあと30秒後にタイムスリップします】 Enter B「はい!入って」 Aはこたつの中に入る。 B「ちゃんと全身入るように。足出てる!」(ここらへんドタバタと) A「あっ今、時間は!?」 Aは顔を出して時計を見、再びこたつの中へ。 こたつが光る。 −三分後− 再びこたつが光る。 出てくるA。 B「おかえり」 A「すげぇ。本当だ。」 A、こたつの中を見ながら、ひとりで色々ブツブツと A「信じるわ。お前の話」 Bはうなずく。 A「いや。俺かなり驚いてるからね。あんま顔に出ないタイプなだけで」 B「知ってるよ。彼女だもん」 A「...そこだけなんだよね。信じられないのが」 B「私と付き合うことになるって事が?」 A「う、うん。タイプじゃないし…さ」 B「ひどいな…告ったのも、声かけたのも、みんなAからだよ」 A「声かけた?」 B「そう。“映画とか興味ない?”って。新歓祭のときに」 A「それで入ったんだ。うちのサークルに」 B「そう。それで少しして映画に誘われて」 A「ターミネーター4?」 B「ターミネーター4。」 B「どうなっちゃうんだろ?未来」 A「ん?」 B「私がここに来てAと会っちゃうとどうなる訳?」 B「未来かわっちゃうよね。なんかこうグチャグチャになって、なんていうのタイム…」 A「タイム・パラドックス」 B「そうそれ。にならないかな?」 A「どうなんだろ…」 A「…っていうか、そもそも何しに来たの?」 B「そうだ。忘れてた。これを届けに来たんだよ」 Bは拳銃を指差す。 A「これ?」 B「そう。」 ここから回想 B「Aはタイムマシンを完成させた訳よ。」 A「うん」 B「もちろん、こんなのじゃなくて研究室にもっとちゃんとしたヤツ   で、実験は成功して学会やなんかで発表して、すごく表彰とかもされたんだけど   やっぱり、倫理的に問題あるんじゃないかって、国とかマスコミとか色々ね」 A「歴史かわっちゃうもんね」 B「うん。それでタイムマシンは作るな、使うなっていう法律とか条約ができちゃった   でも、Aとしては作りたいし、使いたいし   それでうちで作っちゃおうと」 A「それでこたつ」 B「そう。急に人が来てもばれないしね。それになんか足が4本っていうのも重要らしくて   ほとんど一人で作って、ようやく完成した頃」 AとBがこたつに座って完成を喜んでいる。 ピンポーン。チャイムの音。 Aが出て行く。 黒服の男2人が入ってくる。 A「なんだ、お前らは!」 男「Aだな?」 男にAが詰め寄るが、銃声の後、Aは崩れ落ちる。 男の手には拳銃。 B「A!A!」 Aは死んでいる。 回想終わり A「誰?そいつら」 B「知らない。でも反対してるヤツとか、研究狙ってるヤツとか、いっぱいいるし」 A「殺されちゃうんだ俺」 B「うん。で、事前に伝えておいて、これがあればなんとかなるんじゃないかと」 A「なるほど」 拳銃を手に取り眺める B「弾、残り4発あるから」 A「でも、事前に未来を知っちゃっていいのかな?なんかさー」 B「死んでもいいの?Aは」 A「嫌だけど」 B「私も嫌」 B「とりあえず、伝えたし、渡したから」 A「うん…」 B頷く B「じゃあ帰るね」 A「えっ?」 B「長居するのもアレだし」 B、こたつから顔を出して B「2008年12月20日午後4時ごろ、気をつけて」 A「2008年12月20日午後4時」 B「ちゃんと声かけてよ、私に。でないと私の帰る未来がなくなっちゃう」 A「…」 B「それじゃ、4月に」 B、顔をひっこめる。 4月。 大学構内。 Aモノローグ「Bは2008年12月20日に帰っていった。   それから二ヵ月後、アメリカの大学教授が時間を移動する方法についての論文を発表した。   その中にはタイムマシンには、4本の柱を用いることが重要であるとの記述もあった。   俺はその論文と、あの時見たこたつ−タイムマシンを元に設計図を書き始めた。 いろいろなサークルが勧誘をしている。 Aもビラを配っている。 向こうからBが歩いてくる。 Bを見つめるA・・・ ー終ー 【おまけ−蛇足】 2008年12月20日。 ピンポーン。チャイムの音。 Aが出て行く。 黒服の男2人が入ってくる。 男にAが詰め寄るが、銃声の後、Aは崩れ落ちる。 男の手には拳銃。 男二人はBに近づき銃を向ける。 銃声2回。 男達倒れる。 Aが銃をかまえている。 立ち上がり、胸から弾除け(鉄板とか)を出す。 B「大丈夫?」 A「結構痛いかも…」 ここから3パターン @ こたつが光り、C(A、Bと同じ年くらい)が出てくる。 A「だっ、誰?」 C「2008年ですか?」 B「そうだけど」 A「どこから来たの?」 C「2033年」 A「2033年?」 C「未来が大変な事になってるんだよ、父さん、母さん」 A 扉が空き、銃を持った男達がまた来る。 A、銃を持つ。 男「撃つな!時空警察だ」 時空警察手帳を出す男達。 男「Aさんですね?20年後のA教授からお手紙です」 手紙を渡す B A「どうしよう。またこういう奴らに狙われたり、捕まったりしたら」 B「だね…   逃げよっか?これで」 こたつを指差す。 A「そっか、そうしよっか」 B「いつにする?過去?未来?」 A「そうだねぇ…」